私は介護現場で20数年と他業種でも働いた経験があり、現在は特養で介護士として働いています。
介護福祉士の資格以外で整体と心理カウンセラー(民間の学会認定)の資格を持っています。
どちらの資格も「その仕事をしたいから取った」というより、趣味の延長やマッサージが好きだという理由で「何かの役に立つかな」という程度で取得したものでした。
整体の知識と技術は、介護の仕事でもちょっとしたマッサージや体操に活かすことができました。
心理学の知識は、相手の気持ちを汲んだりコミュニケーションを取るのにとても役立ちました。
介護施設で働いていると辞めたくなったり転職したくなる時がありましたが、資格を持っていると少し気持ちに余裕が持てた状態で転職先を探す事ができていました。
選択肢が介護一択の状態で転職するよりも、資格がある事で少し視点を変えて違う業種に目を向けられたり、新たに資格を取得して転職しようと考えることは自分自身のキャリアアップに繋がると思います。
介護からの転職 ①・・・同じ業界の職種
介護職を辞めたくなったとき、同じ業界の職種だと転職に対しても割と抵抗が少なくて済むのではないかと思っています。
資格が必要なものもありますが、同じ業種だと間近で関わる機会も多く仕事の内容も何となく分かりやすいのではないでしょうか。
〈同じ業界の職種5選〉
1.ケアマネージャー(ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?役割や仕事内容を知ろう「ユーキャン」より)
2.相談員(生活相談員とは?仕事内容や必要な資格などの転職に役立つ概要を解説「きら☆ケア」より)
3.リハビリトレーナー(リハビリ特化型デイサービス「介護の人事労務ナビ」、PT、OT、ST「PTOT転職ナビ」より)
4.医療事務(「YAHOO!JAPAN しごとカタログ」より)
5.心理カウンセラー(「医療のお仕事辞典」より)
リハビリトレーナーなどはPT、OTのように専門職として勉強するのもいいですが、リハビリ特化型デイサービスなどに転職し介護の経験を活かすのも楽しく、元気がもらえます。
医療事務は安定した資格として、言うまでもなく人気があります。
自己啓発にもつながるアドラー心理学
私も民間の学会認定の心理カウンセラーの資格を持っているのですが、心理学の勉強をするのは転職という選択をしなくても日々のコミュニケーションやアンガーマネジメント(「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会」より)などで役に立つと常々思っています。
2015年にビジネス書ランキングの1位を獲得しベストセラーにもなった岸見一郎と古賀史健の共著「嫌われる勇気」をご存知の方も多いと思います。
心理学の三大巨頭と称される人物はフロイト、ユング、そしてアルフレッド・アドラーがいます。
「嫌われる勇気」はこのアドラーの思想について書かれているものですが、心理学を学んでいく中で私はアドラーの考え方が一番自然に素直に自分の中に落とし込めたのです。
幸せになるための答えが、具体的でありシンプルである。
「人は変われるということ」「私がどうあるかが問題であること」、思考を変えることがこんなに気持ちを楽にするんだと気づかされました。
話を転職に戻しますが、同じ業界でのおすすめ転職に心理カウンセラーを挙げたのにピンとこなかった方もいるかもしれません。
心理学の勉強で得た知識は、私がいくつか転職を経験した中で「怖がらなくていい」という気持ちの支えとなり、等身大の自分で仕事に取り組めた事に繋がったので今回おすすめしました。
介護からの転職 ②・・・介護と関連のある職種
介護職から離れた転職をしたいと考えたとき。全く経験がない職種を選ぶのはちょっと不安を感じるかと思います。
次に挙げる業種は介護業界というよりは他業種の方が近いと思いますが、介護にも関連があるので馴染みやすく介護の経験も活かせると思います。
〈介護と関連のある他業種2選〉
1.介護用品のメーカー(おむつや福祉用具、装具など)
2.保育士
保育士に関しては基本的に資格が必要ですが、無資格でもできる業務もありますし介護士の資格や経験、知識が役に立つ場面もあると思います。
「高齢者」と「幼児」、正反対のようですが行う仕事の意味や手段、緊急時の対応などは似たところがあるのではないでしょうか。
介護からの転職 ③・・・介護職の経験を生かして他業種へ転職
私も介護職とは全く違う他業種へ転職した経験もあります。
その時「多くの仕事の中で福祉・介護業界は少し特殊な職場環境なのではないか」と思いました。
会社という組織に属し「働く」ということをビジネスという視点で捉えた時、介護業界で慣れていた私は戸惑う事も多くありました。
とはいえ、介護業界で培った経験が他業種でも役に立った場面もたくさんありました。
〈介護の経験が役に立つ!他業種3選〉
1.接客業
2.ドライバー
3.コールセンター、オペレーター
デイケアやデイサービスで送迎業務をしていると、周辺の地理に詳しくなったり土地勘がついたり、運転技術も上がったりします。
運転が好きな人は荷物運びや宅配のドライバー、今流行りのデリバリーなどの転職も向いているかもしれません。
介護職の仕事はケアマネージャーやご家族、地域包括などと連絡を取り合うことも多くあります。
そんな経験を活かして、電話応対などのコールセンターやオペレーターも転職の際の選択肢に入れることができると思います。
まとめ
転職は同じ業界でも違う業界でも介護の経験を活かせる場面はたくさんあります。
個人的には、一番転職しやすいのは①の同じ業界だと思っています。
ただ①に挙げた職種は新たに資格取得が必要なものもあり、すぐその仕事で働ける訳ではありません。けれど勉強して資格を取るということは自分自身の成長やキャリアアップに繋がり、考えただけでワクワクしてきませんか?
また他業種といえども今までの介護の経験が活かせるのは、大きな強みとなります。
また資格取得も通信教育やオンライン講座など多種多様です。
自分の時間や生活スタイルに合わせながら学習していけるでしょう。
職種に合わせて取得する資格を選ぶもよし、好きなこと興味のあることを学習し仕事に繋げるもよし、経験や知識を仕事にどう活かせるか考えてみるのもいいでしょう。
介護業界に残っても他業種へ移っても、資格を取得したり転職を考えることはすべてあなたのこれからの人生に役立つと思っています。
【入寮ドットコム】