中途入社は仕事ができない!?コミュニケーション能力の必要性

介護
記事内に広告が含まれています。

介護の職歴25年以上、整体と心理カウンセラーの資格も役立てたいサカミチです

特養で採用された(同世代の)新人、モヤモヤしてたまりませんでした!

介護施設はどこも人手不足。

募集をかけてもなかなか面接に来なくて・・・。

それなのに、やっと採用された人が「残念な人」だったこと、ありませんか?

やっときてくれたから、大事に育てよう!

と思ってたのに!

面接にきたのは一人・・・即、採用

経験者だって!よかったね!

50歳の女性。同世代だわ。

でも、この新人さん・・・

完全にハズレでした( ;∀;)

経験者なのに嫌われた新人さんはこんな人

プライドが高い知ったかぶりって言えるかな…

・入居者さんの名前を覚えていない(ベッドの位置だけで覚えている)から呼び間違い処置間違いをする

・「前の施設は・・・」とすぐ言う

・「経管栄養の方の口腔ケアはやった事ないんです」と言いながら、指導されると「教える人によって言うこと(やり方)が違いますね」と出来ない事を正当化する

・「○○という病気だからこんな症状がでます」と説明されて、明らかに分かっていない表情をしている(バレている)のに「ハイハイ、ですよね~」と言う

排泄介助の技術、移乗の技術、入浴介助の技術、どれも下手

介護士として働いた経験はあっても、介護技術の経験は少ないんじゃないかな?

なのに、

「分かりません」「教えて下さい」が言えない

分からない、と聞くことは恥ずかしいことではない。

むしろ、新人の時しか言えない。

堂々と言っていいのです。

そもそも、中途入社で入れば年齢に関係なく新人です。

彼女は、なかなかいない新人でした。

・経験、資格があっても「この施設は初めてだ」という緊張感がない

・先輩、入居者さんに対して最初から敬語・丁寧語が使えていない(話し方が軽い)

・初日から、働いている職員の仕事のやり方・施設を悪く言う

・「私は介護福祉士だからできる」という考えがあり、先輩のマンツーマン指導を嫌がる(陰で不満を言う)

・正社員で入社したからとパートさんを下にみている(言動として表れているので、他のスタッフはすぐに感じる)

「施設会議で○○のやり方を変えたら、って言おう!」と2日目で言う

やっときてくれたから、大事に育てよう!

みんなのこの思いは、悲しくなるくらい踏みにじられました・・・。

彼女の経歴はずっと派遣で働いていて、今回が初めて正社員での採用

夜勤も未経験だったので指導は時間がかかると言われていました…。

派遣だ、正社員だ、の経歴自体はもちろん関係なく技術や人とのコミュニケーションも含めて

「どんな仕事をしてきたか」「何を学んできたか」、が評価されるのです。

そして彼女は「働く期間は約1年半、その後は県外の地元に帰る」と言います。

なんじゃそりゃーーー!!

相手の立場で考えてみる

彼女がハズレ、だと言いましたがあくまでも私たちの感想です。

彼女なったつもりで考えてみました。

・言葉遣いが軽い…誰とでもすぐ親しくなる、フレンドリーな人柄

・言うほど経験、技術がない自己評価が高い、「勘がいいから少し聞けばすぐできる」と本人は考えている

・経験がないと言う必要がない…すぐ出来るようになるんだから(そもそも経験、技術がないと思っていない

・先輩職員、施設の悪口を言う前の職場がとてもいい職場だったのだろう

・会議で「変えたらいい業務のやり方」を言ってやる!…前の職場で任せられていたのは簡単な仕事、業務でそれができていたから、自己評価が高い

結論:

彼女は自己評価が驚くほど高いので、経験がない事を見透かされるのはプライドが許さないとみえる。

人の思考は変えられない・先輩職員の態度、周囲の環境が変わる

先輩職員が考える「一般的な常識や価値観」と、彼女のそれは大きくズレている。

彼女にとっての「常識」は私たちの考える「常識」と違うから、

変わった新人」「残念な新人と思われる

あなたの考え方、間違ってるよ

と伝えても、間違ってると思っていない彼女には伝わらない。

いやだ~(笑)、なに言ってんですか~

変わらないと思います。

人の思考はその本人しか変えられない

彼女が面接を受け採用された以上はリーダーといえども「辞めさせ」られません

彼女と一緒に働きたくない

と思う人が移動や退職をするだけです。

彼女の周囲の環境が変わっていくのです。

・教える人がいなくなる

・助けてくれる人がいなくなる

・入居者さんが怪我する前に手は貸すが、失敗しても誰もフォローも慰めもしてくれない

意地悪な職場!

と言われてしまうでしょう。

施設にとってはマイナスですが、

優しく根気強く教えよう!

と思っても、彼女が変わらない限り周りの人が傷つき泣くのです。

パートさんや派遣さんが「辞めたい」と言うのです。

彼女を改心させるより自分が辞めた方が早いし傷つかなくて済むからです。

介護経験が長い人は、深みを知っている

介護経験が長い人、

色々な施設で働いた事がある人、

夜勤も含め色々な働き方をした人は、

実に多くの場面に遭遇しています。

容態急変

緊急搬送

看取り

死後の処置

(知識や技術だけではなく)ドクターやナース、他部署の内情や連携のとり方

「経験があるから仕事ができる」のではなく相手の立場が理解できるのではないかと思います。

思いやりがあり、的確な判断ができる。

・・・もちろん、介護経験が短くても相手の立場で物事を考え行動できる人はいます

要は「その人の特性」「人間性の深み」なのでしょう。

患者さんや入居者さん、利用者さんなど介護の手を必要としている人は

やはり「社会的弱者」です。

寄り添って手を差し伸べてあげる事が支えとなるのではないでしょうか。

「残念な新人」と言われた彼女はどうすればよかったのでしょうか?

先輩の動きを見ながら

(この人はこんな人なんだ)

(この入居者さんは○○という名前か)

(この業務は一人でやるのか)

など、とにかく「学ぼうとする」「覚えようとする」姿勢や謙虚さがあると良かったのでは?

それが感じられれば先輩職員は

もっと教えたい!

早く独り立ちできて一緒に働きたい!

と思ったはずです。

でも彼女は

私、悪くないし~

変わらなきゃ??何かした?

どうしてみんな意地悪なの!!

と不満だけが募っていったのでしょう。

先輩職員はみんなの指導方法や考え方をできるだけ同じにしていこう、と話し合いました。

・考え方ややり方など、悪い点ははっきり伝える

・あなたの行動で他の人はこう感じる、と他人がどう思うかを教える

・技術面は、やり方を否定せずに実際にやってみせ丁寧に教える

ところが、

彼女は1ヶ月もしないうちに突然辞めました。

リーダーから

「まだ何も分かっていないのだと自覚して下さい」と言われ

「あなた自身も変わる必要があるのですよ」

と諭された事に対し、

納得いかない!

イライラする!

悪口ばかり言われる!

と感じたからでした。

残された職員みんなが、モヤモヤした気持ちでした。

コミュニケーション能力とは

人と上手に付き合うことができる人に対して「コミュニケーション能力が高い」という評価をすると思います。

「コミュニケーション能力」は会話のやり取りが上手いとか話が上手という事だけではありません。

コミュニケーション能力とは

「伝える力」

「聴く力」

があること。

そしてその両方に

「言語コミュニケーション」

「非言語コミュニケーション」

の2種類があります。

「言語コミュニケーション」…言葉で伝えるコミュニケーション

意思意見価値観経験知識感情など思っている事や考えている事を言葉で伝える

・相手の言葉を「聴く」(何を伝えたいのか察する)力も言語コミュニケーション

「非言語コミュニケーション」…言葉以外の情報でとるコミュニケーション

身振り手振り表情視線声の大きさ声のトーンなど言語以外で気づいたり伝えたりする

伝える力+言語

これは「プレゼンテーション能力」ともいえます。

こちらの「話す内容」「してほしいこと」を相手に理解させるという事です。

・同じ内容でも相手によって話し方や言い方を変えるテクニック

・相手が納得して「行動」してくれるように、心を動かす話し方

回りくどく話すのではなく、要点や話す順序を変える(結論を先に言う)だけでしっかり相手に伝わりますよ。

聴く力+言語

相手の話をしっかり理解して「聴く」

「寄り添って共感する能力ともいえます。

「話す」「伝える」のが下手な人もたくさんいます。特に高齢者はその傾向にある場合が多い。

「人間は誰でも話したい生き物」というように、話すことで気持ちがスッキリすることもよくあります。よく「聴く」ことで相手の事もニーズも掴めるのではないでしょうか。

・何が言いたいのか分からない、と話しを区切ったり途中で被せたりはNG

・言わんとする事の背景(要点)や経緯を考える

・相手が話を整理しやすいような質問をする

・聴いてくれている、と感じてもらえる姿勢をみせる

伝える力+非言語

相手を説得する、相手が納得する、それには言葉だけでは足りないのです。

「非言語」を使えば視覚によってより相手の心に伝わり、心を動かすのです。

身振り手振り

話す内容にあった表情

話し方や声の抑揚

聴く力+非言語

「空気を読む」「変化に気づく」能力ともいえます。

例えば、

言葉では「大丈夫」と言っていても心では悲しんでいる、不安でたまらない、というのはよくある事です。

・言葉になっていないけれど「相手が本当はどう思っているのか」を察する力

・しぐさや表情などから「相手の思い」を汲み取る力

非言語で相手を深く理解できればしっかりとした信頼関係が築けていくのです。

コミュニケーション能力「メラビアンの法則」

「メラビアンの法則」:相手にあたえる影響を表した心理学の法則

カリフォルニア大学の心理学名誉教授、アルバート・メラビアンによって発表されたもの。

人とのコミュニケーションにおいて

言語情報があたえる影響は7%

聴覚情報があたえる影響は38%

視覚情報があたえる影響は55%

まさに「目は口ほどにものを言う」です。

人は相手とコミュニケーションをとるとき、

言語・聴覚(耳)・視覚(目)の3つの情報から相手を判断している、と読み解いたのです。

パーセントが多いから「視覚が重要と考え、話す内容は意味がない」ということではありません。

・まずはきちんと伝わる言葉を選ぶこと

・そこに、声のトーンや抑揚をつけ

表情やジェスチャーで肉付けする

大切なのはバランスがとれたコミュニケーションであり、それが相手の行動も気持ちも変えるのです。

現在では、「好印象の与え方」としてひとつの指標となっています。

コミュニケーション能力の高い・低い

コミュニケーション能力が高い

伝わるように話す…結論から話したり相手によって話し方や言い方を変えるテクニック

言いかえやたとえ話を上手くつかい、相手を話に引き込む

身振り手振りなどジェスチャーも上手につかう

相手が話しているときは「傾聴」する

そして一番大切なのは、

「相手に寄り添い、相手を知りたいと思う気持ち」だと思います。

「伝える力」より「聴く力」が高いほうが信頼関係は築きやすく人間関係はうまくいきます。

コミュニケーション能力が低い

自分のことばかりで相手の話を最後まで聞かない、話を被せる

話の要点を明確に伝えられない

話がいくつもとび、会話の目的や内容が分からない

自分への批判や違う意見は理解しようとしない

自分を正当化し反省がない(次に繋がらない、何度も同じことをする)

そもそも相手を下に見ている(相手に興味がない)

「残念な新人」の彼女は、残念ながら見事に「コミュニケーション能力が低い」人に当てはまっていました…。

コミュニケーション能力を高めるには

上手なコミュニケーションをとるには「相手がいる」ということをしっかり理解し、独りよがりにならないように気をつけたいですね。

まずはバランスを考え「話す」を3割「聞く」を7割と考えてみる

傾聴のか・き・く・け・こ」を意識する

環境を整える)・・・立ち話より座って、騒がしければ静かな場所に移動

共感する)・・・相手に寄り添う

繰り返す)・・・しっかり聴いていると伝わる行為(多すぎるのはNG)

結論を急がない)・・・相手の話すペースにあわせる

肯定する)・・・話す内容や相手を否定しない、言いかえをつかう

仕事でのコミュニケーションなら「報連相」を確実に

「伝える力」より「聴く力」を伸ばす(そのためには、相手を知りよく見る

コミュニケーションスキルを効果的に上げる具体策&まとめ

もし自分自身コミュニケーション能力が低いかもしれないと感じている方、

一緒に働いている人に「もう少しコミュニケーションスキルがあれば」と対応に困っている方、

それとなくスキルアップの効果的なやり方を試してみて下さい。

「伝える力」のスキルアップ方法

・結論から伝える

・「5W1H」を意識する

(When:いつ、Where:どこで、Who:だれが、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)

「聴く力」のスキルアップ方法

あいづちうなずきを適度にいれる

アイコンタクトを見逃さない

・嫌味にならない言葉の「オウム返し

・腕を組む、ほおづえなど相手と同じ仕草をする(ミラーリング効果)

残念ながら、うちに中途入社した新人さんは先輩職員の「指導」の苦労も理解しないまま、あっという間に退職してしまいました。

介護施設では経験者の採用は本当に大歓迎です!

即戦力に越したことはありませんが、それ以上に「素直に学べる」人に来て欲しいです。

そして介護施設にいるのは弱い立場の高齢者なので

やっぱり「気持ちの優しい人」がいいですね!

(とはいえ色々な利用者さん、入居者さん、患者さんがいるので相性はあると思います)

職員同士はより多くの情報を取りいれるためにも、いいコミュニケーションをとりたいものですね!

タイトルとURLをコピーしました